2009年7月9日木曜日

「危機 II. 全体保持」イエス

原題:Close to the Edge
  II. Total Mass Retain / Yes

Close to the Edge危機)収録






II. 全体保持

私の目は 確信に満ちていながらも、愛の力で手にした より若い月に覆い隠された
それはまるで、天から降り注ぐ輝ける神与の糧を浴びながらも ほとんど汚れていると言えるほどの変化だった

私は自分の憎しみの気持ちを抑え 言葉を手の中に押し止めた
存在するのは あなた 時 論理 あるいは理解不能な根拠だ

悲しみに満ちた勇気を持って 生け贄達が
 皆が見えるように動かずに立っていることを要求した 
武装した移動部隊が 海を見渡すために 前進し接近するかのように
その後存在するのは 絆 許し あるいは理解可能な根拠となるだろう

下の瀬戸際のあたり 川のそばに接近し
瀬戸際の近く 角のあたりを回り込んだところ
終局の近く 下の川のそば
下の瀬戸際のあたり 川のそばを回り込んだところ

突然目的が理解できたとしても それに驚いて記憶を消し去るべきではない
結局のところ その旅は常にあなたと共にあるのだ
あなたがこれまで見たり知ったりした真実とは切り離されているとしても
言及を欺くためにのみ問題を
推測しながら
虚無の世界へ途中まで登り行く道を通りながら
私たちは端から端まで横切る時に 全体が保持されるのを聞く

下の瀬戸際のあたり 角のそばを回り込んだところ
終局の近く 下の川のそば
季節はあなたを通り過ぎて行くだろう
私は上昇し 私は下降する

II Total Mass Retain

My eyes convinced, eclipsed with the younger moon attained with love
It changed as almost strained amidst clear manna from above
I crucified my hate and held the word within my hand
There's you, the time, the logic, or the reasons we don't understand

Sad courage claimed the victims standing still for all to see
As armoured movers took approached to overlook the sea
There since the cord, the license, or the reasons we understood will be

Down at the edge, close by a river
Close to the edge, round by the corner
Close to the end, down by the corner
Down at the edge, round by the river

Sudden cause shouldn't take away the startled memory
All in all, the journey takes you all the way
As apart from any reality that you've ever seen and known
Guessing problems only to deceive the mention
Passing paths that climb halfway into the void
As we cross from side to side, we hear the total mass retain

Down at the edge, round by the corner
Close to the end, down by a river
Seasons will pass you by
I get up, I get down



【解説】
Yesの「危機(Close to the Edge)」のセカンド・パート「全体保持(Total Mass Retain)である。パート1では「あなた」と「わたし」がより良い状態へ変革し、「あなた」の完全性に関係して、「私」の上昇と下降の動きが始まった。

最初の行は「My eyes (being) convinced, and (being) eclipsed ...」と補い、次行の「It」は「My eys」を一塊の存在と捕らえた結果単数(theyではなくit)になったと考えた。つまり「それ=私の目」である。

まるで「天与の糧(mannna)」を浴びつつ汚れているように、確信に満ちたりた状態なはずなのに「愛」の名の下に「the younger moon(より若い月=三日月に近い月=不完全な月)に曇らされ、私は「憎しみ(hate)」の感情を抱く。しかし言葉には出さない。

「憎しみ」の心と戦っている自分の前にいるのは、「あなた」「時間」「論理」そして「理解不能な根拠」。そう、この不完全で不安定な状態において「あなた」はそこにいてくれるのだ。

「私」は憎しみを吐き出す代わりに、周囲から皆が見えるように「犠牲者」をじっと立たせることを要求する。「犠牲者」とは自らの内にある、目を背けてはならない部分のことか。他人を憎むのではなく、自分の中の弱さに目を向けること。悲しみに満ちた勇気を振り絞って。

「since」は「それ故、その後」と取り、第1連最終行と対となる第2連最終行は、現在の状態が好転していくだろう未来を語っている。そこには「絆」「許し」「理解可能な根拠」が存在することになる。

第4連では、新たな自分の「目的(cause)」が理解できたとしても、それで過去の自分の記憶を消し去ってはならないと言う。そして結局「あなた」はこのような旅をずっと続けるのだ。それが、今までの常識とはかけ離れたものであっても。「私」と「あなた」は常にそばにいて「絆」で結ばれているのかもしれない。

「私」は自分への自信を取り戻し移動を続ける。そして「端から端まで横切った時、全体が保持されるのを聞く」。ここでの「私たち(we)」は、「あなた」と「私」なのかもしれない。

パート2となる「全体保持」は、変革の後に「私」の混乱と再統合がなされ、「あなた」との結びつきが強まったことを語っているように感じる。そこから「全体保持(total mass retain)」という安定状態が生まれた。

しかしその中で「旅(journey)」は続き、「私」の上昇と下降の運動も続いている。さて、次はどういう展開が待っているのであろうか。続く。

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